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海洋プラスチックごみの現状は?流出量の多い国や私たちができること

  • 執筆者の写真: maro00
    maro00
  • 2021年12月25日
  • 読了時間: 6分

海洋プラスチックごみは何年も前からその存在を危険視され、海洋環境や生態系への影響が懸念されてきました。 2015年に国連で制定されたSDGsでは目標14「海の豊かさを守ろう」が掲げられ、海洋資源を利用する多くの国が取り組んでいます。

ではその取り組みによって、現在の海洋プラスチックごみの状態はどうなっているでしょうか。 また海洋プラスチックごみはなぜここまで大量に出てしまったのかなどを紹介します。


海洋プラスチックごみの世界の現状とは

近年、世界に広がる海洋の多くでプラスチックごみが問題になっています。

ペットボトルやビニール袋などのプラスチックが海に処分されたり、ポイ捨てされたごみが雨や風で河川に入り海へ流れ出ています。これにより、海洋生物が間違えて食べたり、プラスチック製の網などが絡まったりなどして、最悪の場合死んでしまうといった問題が世界中で起きています。

また、プラスチックごみが劣化などで小さくなり5ミリ以下になったものをマイクロプラスチックごみと言いますが、これらが北極や南極でも観測が確認されました。このマイクロプラスチックごみも、海洋生物が間違えて食べてしまうことで炎症反応や摂食障害が起こることが分かっています。

世界全体のプラスチックごみの量は少なくとも年間800万トンあり、このままいけば2050年には魚よりプラスチックごみの方が多くなることも予想されています。

日本でも海岸にごみが漂着しますが、環境省が2016年度に全国10地点で実施した調査結果によると、重量ベースで自然物が、容積及び個数ベースではプラスチック類が最も高い割合を占めています。また、回収されたペットボトルの製造国別の割合は場所によって差がありますが、多い地点で外国製が8割、少ない地点で2割でした。それ以外は国内から出たごみとなります。

私たちは、自分たちの手で海を汚してしているのです。プラスチックごみの主要排出源は東アジアや東南アジアであるという推計もでていることから、この問題は開発途上国も含めた世界全体で取り組む必要があります。


プラスチックごみの流出量が多い国は?

以下はプラスチックごみの発生量が多い国をランキングにまとめたものです。データは2010年時点のものですが、日本は30位に位置していました。

国名プラスチックごみ発生量(万トン/年)1位 中国132~3532位 インドネシア48~1293位 フィリピン28~754位 ベトナム28~735位 スリランカ24~646位 タイ15~417位 エジプト15~398位 マレーシア14~379位 ナイジェリア13~3410位 バングラデッシュ12~31


この表からもわかるように、1位の中国は圧倒的に多いプラスチックごみが発生しており、海洋プラスチックごみの原因を作っていました。 また4位までを見ると東・東南アジアの国が占めていることがわかりますが、世界の海洋の中でも東アジア海域は海洋プラスチックごみの問題が深刻であることが報告されており、その要因がここにあると考えられています。


中国ではプラスチックごみの輸入を停止

このような報告、そして一部の地域で環境保護を軽視し、人体や生活環境に対して重大な危害をもたらしたことから、中国は「固体廃棄物輸入管理制度改革実施案」を公表しました。

これによると中国はこれまで輸入してきた廃プラスチックなど環境への危害が大きい固体廃棄物の輸入を2017年末を機に禁止するとともに、2019年末までに国内資源で代替可能な固体廃棄物の輸入を段階的に停止すると発表しました。

これまで中国は日用品や工業製品に使うため、安価な再生素材獲得のため世界の廃プラスチックを輸入し受け入れてきました。 1988年から2016年までに中国が輸入したプラスチックごみは計2.2億トンであり、これは世界で発生した廃プラスチックの約7割を占めるといわれています。

これが上記の施案公表を受け、16年には月60万トンを輸入していた廃プラスチックを18年には月3万トンまで激減させました。

また、これまで回収方法や廃棄方法についての体制を見直し、早急な整備を行うことで国内の固体廃棄物の回収率を高めたのです。 これにより、中国からのプラスチックごみ排出量は激減したと言われています。


海洋プラスチックごみを減らすため私たちができること

海洋プラスチックごみ削減のため、各国政府や、関係機関、あるいはプラスチックを取り扱う企業などが取り組みに参加しています。

しかしこのようなプラスチックごみに対し、私たち消費者による削減の取り組みも必要不可欠です。 それはではどのようなことを行っていけば、海洋プラスチックごみを減らしていくことができるのか、それをご紹介します。


3Rを心がける

3Rとは「リデュース(Reduce)」「リユース(Reuse)」「リサイクル(Recycle)」のことを言います。

プラスチックは分別し、再利用すれば資源にもなります。この3Rはどれもプラスチックごみを出さないための工夫であり、資源として再利用する方法を示しています。

つまりこれを意識することで海洋プラスチックごみ削減にも繋がるのです。

例えばリデュースは、レジ袋を使用しないためにマイバックを持参することや、使い捨て食器や容器の使用を減らすことを目的としています。

またリユースはボディソープやシャンプーなどもともとの容器に詰め替えることで再使用し廃棄されるボトルの量を減らす、リサイクルはプラスチックを分別回収してもらい、原料として再利用します。

どれも意識することで取り組めることばかりであり、私たちがすぐにでもできる取り組みです。


プラスチックごみを減らすための行動をする

プラスチックごみを減らすための行動をすることも大切です。以下は私たちが生活していく中で意識するだけでプラスチックごみを減らすことができる方法になります。

レジ袋をもらわなくていいようにマイバックを持参する プラスチック製のスプーンやフォークをもらわず、マイ箸やマイスプーンなどを常備する プラスチック製ストローの使用を控える 繰り返し使える詰め替え用ボトルなどを購入する ごみのポイ捨てや不法投棄はせず、所定の場所や時間に分別して捨てる

これはできることの一部であり、まだまだ私たちにできるプラスチックゴミ削減のための行動はありますが、まずはこのようなことから始めてみることが大切です。


ゴミ拾いやボランティアに参加する

海に流れ着くプラスチックごみの量は非常に多く、定期的な清掃を行ってもなかなか減らず、また海岸は広いためどうしても人手が必要となります。

そのため、清掃活動やボランティア活動に積極的に参加することは海を守る上では大切なことなのです。

さらに海洋ごみの問題を広く伝えるイベントのボランティアに参加するのもいいでしょう。清掃活動を行う団体の中には、海洋ごみの問題をもっと多くの人に知ってもらおうとイベントを行っている場合もあります。

こちらも人手を必要とすることが多いので、ボランティアとして参加することで間接的にではありますが海洋プラスチック削減の手助けを行うことができます。





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