仮想通貨とは?
- maro00
- 2022年1月13日
- 読了時間: 9分
仮想通貨の概要
仮想通貨(英語:Crypto Currency)とは、世界中で使える電子通貨の総称です。
セキュリティーを高めるために暗号化技術を活用して作られたことから、海外では暗号通貨と呼ばれています。
ちなみに日本では仮想通貨と呼ぶのが一般的ですが、2020年6月から法的には暗号資産となっています。微妙に呼び名が異なりますが、意味としてはどちらも全く同じものを指します。
送金
価値の保管
投資
一般的には「仮想通貨=投資対象」と思われがちですが、投資対象として以外にも、短時間で送金できるため送金手段として使われたり、法定通貨や金のように価値の保管としても利用されています。
仮想通貨の種類は全部で数千
仮想通貨の種類は三千以上ありますが、大きく分けてビットコイン(英語:Bitcoin)と、アルトコイン(英語:Alternative Coin)に分けることができます。
これらは「仮想通貨取引所」で取引ができますが、実際に取引できる通貨は数百種類でしょう。日本の取引所で扱っているコインは十数種類です。
購入した仮想通貨は、取引所で使うだけでなく、ネットショップや実店舗での決済手段としても使えます。日本では2017年から家電量販店のビックカメラがビットコイン決済に対応しました。
仮想通貨と電子マネーの違いって?
Suicaと一緒?
「電子的な通貨を使う」という点ではsuicaやPASMOと同じですが、その性質は異なります。
ざっくり説明するとSuicaなどの電子マネーは法定通貨の利便性を高めるためのもので、使うにはまず日本円をチャージしなくてはなりません。また、Suica同士で送金しあう事はできませんし、海外ではSuicaは使えません。
それに対し仮想通貨は日本円だけでなく、世界共通の通貨単位として通用しますし、銀行で法定通貨を送るよりも少ない手数料で海外送金する事も可能です。また、発行主体が存在しないという点も法定通貨とは大きく異なる点です。
ビットコイン
さて、先ほど仮想通貨はビットコインとアルトコインに分けることができると述べました。
ビットコインは「仮想通貨」の代表格です。
「仮想通貨」とざっくり話題が出ているときは、大抵「ビットコインを指している」と思ってよいでしょう。
ビットコインの概要
ビットコインはサトシ・ナカモトと言う人物によって考案された世界初の仮想通貨です。
中央機関が存在せず、通貨の発行や取引はすべてP2P(Peer To Peer: 個人間)上で行われます。
暗号化にはブロックチェーンという技術が採用され、改ざん、不正に強い仕組みになっています。
また世界中誰とでも取引ができるため、新しい送金手段として注目されています。
この特徴は日本円や米ドルなどの法定通貨と大きく異なる部分で、未来のデジタル技術として大きな注目を浴びています。
アルトコイン
ビットコイン以外をアルトコインという
アルトコインは「Alternative Coin」という言葉通り「その他のコイン」という意味です。
「仮想通貨」といえばビットコインですが、アルトコインはビットコイン以外のすべての仮想通貨と覚えておけばよいでしょう。
アルトコインが一括りにされる最も大きな理由は、ビットコインがすべての始まりであり、また、ほとんどのアルトコイン取引においてビットコインが基軸通貨として使われているからです。
ビットコインの価格が変動するとアルトコインの価格がつられやすいのはこのためです。
日本でも有名なアルトコインといえば、イーサリアム、リップル、ネムではないでしょうか。
全部で数千存在する
アルトコインは三千通貨以上存在しており、「仮想通貨」という定義はビットコインと変わらないものの、ビットコインに改良を加えたものや、まったく新しくつくり出したものなど様々です。
コインマーケットキャップでは、7792の仮想通貨の情報が確認できます。
しかし本当に価値があるとされるアルトコインは数えるほどで、多くは無名で実用に耐えないものと言われています。
株でいうと「低位株」にあたります。ダイヤの原石もありますから、「ゴミの山から宝を探し当てる」という投資家は好きかもしれません。
仮想通貨の歴史
それでは仮想通貨(ビットコイン)の歴史についてさらに掘り下げてみましょう。
ビットコインの歴史
最初の仮想通貨であるビットコインは2008年に誕生しました。
きっかけは、インターネット上で発表された「サトシ・ナカモト」と名乗る人物による「ビットコイン論文」でした。
その論文には既存のP2P(ピアツーピア)の他にブロックチェーンという新しい技術を使った“発行主体を持たない電子通貨”について書かれていました。
これに好奇心をそそられた研究者やエンジニアが集まり、開発、研究がスタート。ビットコインがつくられることとなりました。
そしてビットコインネットワークが構築され、2009年に最初のブロックが生成。ここからビットコインの歴史が始まりました。
発案者のサトシ・ナカモトは構想から初期段階まで開発に携わっていましたが、2010年に開発の現場を去っています。
彼の正体は謎で、人なのか、組織なのか、現在までに彼の素性を知る者はいません。
ビットコインはサトシ・ナカモトが去った後も研究開発が進められています。
2010年、世界で初めてピザ2枚と交換された
ナカモト氏がいなくなった同年5月22日に通貨として初事例となる「ピザ2枚との交換」という出来事がありました。
この出来事は法定通貨によらない取引の成立として多くのビットコインユーザーから賞賛され、現在も語り継がれています。
毎年5月22日は「ビットコイン・ピザの日」とされ、仮想通貨の誕生を祝う日となっています。
ビットコインの誕生以降、2011年に最初のアルトコインとなるライトコイン(LTC)が元Googleエンジニアのチャーリー・リー氏によって開発されたのを皮切りに、リップルやモナコインなどのアルトコインが誕生。
2016年には600種類ほどに増えましたが、ICOの爆発的な普及により2017年には3000種類、2018年には6000種類、2020年11月27日現在では7791種類のアルトコインがあると言われていますが、実際に流通しているものは3000種類を超える程度と言われています。
ビットコインキャッシュの誕生
ビットコインの誕生からしばらく経ち、多くのユーザーに利用されるようになると、「送金コスト増大」「送金遅延」などの問題に直面してしまいます。
ユーザー数が増えたためネットワーク渋滞が起こり、マイニングコスト(送金コスト)が増大するようになったのです。
この問題を解消させるためビットコイン開発内で長きに渡り議論が行われてきましたが意見が分裂。互いに主張を譲らなかったため、ビットコインのハードフォーク(システムを物理的に分裂させること)が決定。それぞれが描くビットコインの研究開発を行うことになりました。
そして2017年7月にビットコインのハードフォークが実施され、ビットコインから新たにビットコインキャッシュが誕生したのです。
仮想通貨が発行される仕組み
中央集権と、非中央集権
ここではビットコインの発行の仕組みについて説明していきます。
はじめに、日本円やドルは中央銀行によって管理されていますが、発行主体のないビットコインでは、ビットコインのマイニング報酬目当てに「マイナー」と呼ばれる第三者がコンピューターを使い「マイニング」することで通貨の管理がなされています。
マイニングとは?
マイナーは「マイニングをする者や企業」を指し、マイニングは「コンピューターでビットコインから与えられた難しい問題(検証や承認作業)を解くこと」を指します。
マイニングが成功して新しいブロックが生成されると、ビットコインから報酬が支払われます。ブロック生成されたデータがブロックチェーンにつながれるとネットワーク全体に同期され、また次のマイニングが始まります。
多くのマイナーはこの報酬目当てにマイニングを競い合います。正しく問題を解くことで報酬がもらえるので不正が起きません。
ブロックチェーンがこれまで一度もハッキングされたことがないのは、この合意形成(コンセンサスアルゴリズム)からなるものです。
この仕組みをプルーフオブワーク(英語:Ploof of Work)と言います。
マイニングはビットコインネットワーク上で「ハッシュ関数」と呼ばれる暗号技術を読み解く作業で、この問題を解くために膨大な電気代、コンピューターパワーが求められます。
ビットコインが誕生して間もないころは個人のパソコンを使ってマイニングが行われてきましたが、競争が高まるにつれてより強いパワーが求められるようになったため、中国のBitmain社という企業がマイニング専用マシン「ASIC」を開発するようになりました。
マイニングはビットコインの発行上限である2100万枚まで延々と続きますが、通貨バランスを保つために「半減期」と「難易度調整」というシステムを導入しています。
「半減期」はビットコインの発行上限である2100万枚をもとに、一定ブロックごとに報酬の半減が起きる事を指します。
「難易度調整」は競争の過熱具合でマイニングの難易度が上がったり下がったりします。
以上がビットコインの発行の仕組みになります。
なんだかややこしいと思うかもしれませんが、オリエンタルラジオの中田敦彦さんの動画がまとまっております。また語り口調も聞きやすく分かりやすいので、是非見てみてください。
【経済】仮想通貨「ビットコイン」の歴史は壮大なサスペンスドラマ〜前編〜
仮想通貨はどこで買える?
仮想通貨は日本国内に複数ある「仮想通貨取引所」で購入することができます。
取引所によって売買できる通貨の種類や、その他セールスポイントが異なりますので、おすすめの取引所 を参考に自分に合ったところを選びましょう。
仮想通貨の保管方法
最も一般的な保管方法は「仮想通貨取引所で買ってそのまま保有する」でしょう。
しかし、昨今のハッキングリスクを考慮すると取引所に置いたままは、必ずしも安全ではありません。
そこで「ハードウェアウォレット」での保管をおすすめします。
ハードウェアウォレットのデメリットは、出し入れが面倒くさいことですが、メリットとして「ハッキングリスクがない」ことです。
頻繁に仮想通貨取引を行う方にとっては現実的な手段ではありませんが、長期間保有しつづける場合にはもってこいでしょう。
まとめ
仮想通貨について、なんとなく理解できたでしょうか。
ブロックチェーンやハードフォークなど、聞き慣れない言葉が出てきたかと思います。
しかし、難しく考える必要はありませんし、その仕組みや技術に関して全て理解する必要はありません。
なぜなら、スマートフォンを使うときに、チップの仕組みや通信方法に関して知らなくても問題ないですよね。
仮想通貨もそれ似ています。仮想通貨について調べる人は、なんとなく知っておきたいと思う人や技術に興味があったり、投資したいなどの理由があると思います。
投資を行う人は、株式投資と同じで企業の製品について100%知っていなくても大丈夫なように仮想通貨についても基本的なことを押さえておけば大丈夫です。
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